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「電気式」

薄い氷、溶けぬよう
望むまま、去り行けぬ
友人の喝采と昆虫の生き死にを
七度目の季節より葬送の行列を
死ぬるよう、死ぬるよう
望めども息詰まり心から溶けていく

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「日陰」

物憂げな想像を書き記し
意味もなく伸びている
その手なら離せない
集団がとりとめもなく過ぎ
そんなもの捨ててしまえ

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「浮遊」

夢路なら脳天に
突き抜ける水中へ
耳の中やら雲の中
浅い不快な我を切る
少しなら左手に
まだ残る冷ややかに

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「薬品」

軽やかに分裂を
呼び起こす青い青い。
砂の酔う現実で、
液体は揮発するのみ。

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「無根拠」

私が求め、
欲しているものは、
決して、それの、
類似品などでは、
ない。

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「花」

赤い花は美しく
青い花は美しく
あなたは
花を見ようとせず
私は
あなたを見ていた

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「消失」

信じてはなかったし
願ってもなかったし
それなりの日常の体現を見てただけ
吐き捨てるわけもなく
飲み込みも出来ずいる
感情はツツガナク、淡々と暮れるまま
泣く事は馬鹿馬鹿しい
恨む事、別にない

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「妊婦」

囲うしか脳もない
鉄橋にブラ下がれるなら
考えようか、星の出るまで
囲うては綴りいく
「これだって愛にゃのら」

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「リビドー」

触れるのは簡単なこと
引き止めるのは他愛もないこと
情けを乞うのは単純なこと
断ち切られるのは当然のこと
正しくは許せない
絶対に許されない
触れられるのは難解なこと
欲しているのは難解なこと

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「欲望」

万が一、その指に
この髪が絡んでも
きっと想定しなかった事態に
ひざの力も抜けてしまうだろう
もう体も持ちやしない
常識外の事実に成り下がる

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「荒野」

立ち尽くすしか、もう術はない
彩り全て色あせゆきて
風に巻かれて思いでも去り
行くべきなのか、留まるべきか
決断に酔いしれて生き急ぐ価値もない
立ち尽くすしか、もう術はない

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「無期」

気づいたら機械だった
視点なら遠い手前
消滅しかけの極楽制度
魚はおぼれて空はたじろぐ
どうにか早くここに帰って

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「湖畔」

低い低い温度で罵り
弱い弱い気体に触れた
夜明けなら待つばかり
あなたなら乞うばかり
残酷に映し出す湖は朽ち落ちて
あなたはそれを綺麗と言った

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「同じもの」

今じゃ目が取れたりしない
墓石の心配もない
糸をつむげば緩い悪意も
逃げ出したけど理由がなかった

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all written by 愛路2寸

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