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「白線」

 ホームに電車がまいります

 白線の内に踏み出して

 大きな風に叩かれて

 小さな風に撫でられて

 わたしは一人、線の内

 道に迷ったそよ風が

 そんなことするひねくれ者を

 優しくこつんと叩きます

 

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「絨毯」

 流れる雲を見つめ
 闇の中の
 淡い光に安堵する
 芝生の薫り
 太陽の薫り
 それらが混じり合い
 鼻孔をくすぐる

 風に溶けてしまいたい
 そう思えるほどに
 わたしの心は透けてゆく

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「雲の上」

 誰もいない道
 冷たくなった子犬を抱えて
 わたしは走ったの
 走って走って、
 泣きながら病院を探した
 ブレーキの音
 夜空の星
 赤い血
 誰かの顔
 病院
 光
 犬の鳴き声
 知らない人の声
 そして、わたしは死んだ
 でも子犬は助かったの
 あの子にはお父さんとお母さんがいたの
 わたしのお父さんとお母さんはここにいるから
 だから、寂しくないよ

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「コイ」

 いつの頃にか生まれた鯉は

 すくすく大きくなりました

 私の中を元気に泳ぎ

 エサだと思って心をつつく

 くすぐったいなと笑った日々は

 長く続きはしなかった

 小さくなって弱った鯉は

 それでも生きてはいるようで

 いつの頃にか生まれた鯉は

 いつの頃にか終わった恋は

 今では私の奥底で

 寂しそうに眠ってる

 起こしてくれよと眠ってる

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「真実」

 困っているあなたを見て
 心が痛んだ

 「ありがとう」と言われて
 また、心が痛む

 私は自分の為にしたのに
 あなたは嬉しそうに微笑む

 痛む心をどうにかしたくて
 決してあなたの為ではなく
 私の為にしたのに

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「束縛」

 自由になることを願った

 両手足をきつく縛られ

 毎日、蹴られ殴られした

 額には印を焼き刻まれ

 わたしは番号で呼ばれた

 そのうちに

 痛みを感じなくなり

 涙も流れなくなった

 翼をもがれちゃったから

 飛ぶことはできないけど

 空を想うだけで

 わたしは、幸せだった

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「道」

 一生懸命走ってきた
 周りの人たちも
 大粒の汗を滲ませ走っていた
 疲れても決して止まらず
 前へ前へと進む
 何かに急かされ
 自分で急き立て
 心臓が悲鳴をあげても
 壊れているのに気づけずに
 あなたは走る

 でも、
 わたしは立ち止まってしまったの
 後ろを見てしまったの

 わたしの歩いた道には
 何もなかった
 こんなに頑張ったのに
 こんなにも頑張ったのに

 それからわたしは
 道に落書きでもしながら
 ゆっくりと歩いて行くことにした

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「根」

 歩きたいよ
 走りたいよ
 歩くように進むことは出来る
 走るように進むことは出来る
 普通じゃないの
 当たり前じゃないの
 あなたが今
 そうしていること
 お願い
 わたしの分も歩いて

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「違う自分に」

 見つからないのは 見つけようとしないから

 することが無いのは しようとしないからだと

 皆わかってるはず

 でも、出来ない

 いや、やろうとしない

 自分には何もない

 それは無限の可能性

 変われる チャンスなのに

 来るかわからぬ 明日を信じて

 大切な今に 幻滅してる

 何かに生活の主導権を 握られ

 無意識に従い 生きている

 たとえば 歯を磨くとき

 左手で磨いてみなさい

 たとえば 家に帰るとき

 別の道を通ってみなさい

 そんな些細なことでいいんだ

 少しずつ 少しずつ

 同じ毎日を 壊すこと

 そうすることで

 あなたは わたしは

 変われると思う

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「ちから」

 チカラが欲しいと思った

 絶対的なチカラ

 誰にも負けないチカラ

 自分にも負けないチカラ

 嫌だと言えるチカラ

 好きだと言えるチカラ

 切に思った

 でも、本当にチカラが欲しかったのか?

 何かのせいにして

 自分の弱さを肯定したかったんじゃないのか?

 チカラがないから

 チカラが足りないから

 チカラがあれば

 ただの逃げの言い訳でしかないんじゃないか?

 チカラを手に入れたとき

 チカラなんて役には立たないことを知った

 気づくのが遅かったけど

 今ならまだやり直せるかもしれない

 チカラのない

 強い自分になれるかもしれない

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「消えない」

 泣いたのは悲しかったから

 笑ったのも悲しかったから

 死ぬのなんて怖くない

 そんなものは逃げの言葉

 生きるのが怖いから

 死に甘える

 泣けるほど楽しかったらいいのに

 楽しいことで笑えたらいいのに

 もし、あなたが消えたとしても

 心は痛みをのせて永遠を漂う

 あなたは消えない

 悲しみも消えない

 なにも変わらない

 そして、もうなにも変えられない

 だから私は消えないし

 誰にも消えて欲しくない

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「くだらない」

 別れが訪れた

 優秀なあの子はAクラスに

 そこそこだった私はBクラスに

 勉強が嫌いだったあの子はCクラスに

 仕分けされた

 あの子は勉強ができたけど

 あの子は勉強ができなかったけど

 誰でも知ってる常識を知らなかったし

 身を乗り出してしまうほど興味深いことを知っていた

 何が違う?

 何が違うんだ?

 ベンキョウガ、デキル

 そんなことで別々の箱に入れられ

 その中でも、さらに番号をつけられる

 試しにわざと零点を取ろうか

 あいつは馬鹿だと言われるのかな

 勉強の出来ない、落ちこぼれだと

 くだらない

 ホント、くだらない

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「家路」

 石ころを蹴飛ばし
 草むらの屑鉄を一瞥する
 ふと、
 それらが自分であることに気づく

 涙が出てきた
 涙はもう出ないはずなのに

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「翼をください」

 昨日のような今日を過ごす

 今日をような明日を迎える

 つまらない毎日

 意味を持たぬ毎日

 褒められても嬉しくない

 嫌われても悲しくない

 非力な私でも飛べるような

 翼をください

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「生きる」

 ひょんなことから物語は生まれる

 繰り返しの毎日の中で

 時として、何かが割り込んでくる

 素晴らしい出逢いが訪れたり

 新しい幸運が巡ってくる

 だけど、悲しいことも多い

 別れや知人の不幸

 辛い、すごく辛いことだけど

 どうしようもないことだから

 その日はたくさん泣いて

 明日からは、笑って生きよう

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「笑み」

 いつも下を見ていた

 周りの目が怖くて

 傷つくのが嫌で

 傷つけるのはもっと嫌で

 いつも下を見ていた

 こんな私…

 こんな私なんだよ

 そう訴える私に

 首を横に振って

 あなたは、微笑んでくれた

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「必要」

 毎日

 毎日、毎日

 少し違う同じ毎日を繰り返す

 わたしの周りには
 どれ位、意味のあることが
 存在しているのだろう?

 無ければ無いで済むものを求め
 本当に大事なものを持っていない

『何もすることがない』

 何をしても良いことだと、解っている

 でも、わからない

 わたしにしか出来ないこと

 わたしを求めてくれる人

 わたしを許してくれる場所

 見つからない

 耐えられない

 自分を試したい

 生きる意味が欲しい

 怖い

 何がしたいのだろう?

 何をすれば良いのだろう?

 誰も答えてはくれない

 今、わたしが死んでも

 きっと、誰も困らない

 それだけは嫌だ

 わたしは、必要とされたい

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夏が、終わる

 この表現は嫌い

 夏は、終わらない

 またやってくるよ

 でもその前に秋があって

 寒いけど、大好きな冬がきて

 眠い春を過ごしてから

 一年ぶりの夏に…

 ヘリクツかなぁ

 ヘリクツだよねえ

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「ありがとう」

 プリントを落とした

 女の子が拾ってくれた

 俺は慌てて、すみませんと言った

 感謝の言葉より

 謝罪の言葉が先に口からでた

 ありがとうとは言えなかった

 これが自分なんだと

 小さく、ため息をついた

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「知ること」

 たくさん知るということは

 たくさん失うことなのです

 時を費やすということは

 命のロウソク小さくすること

 たくさん知るということは

 わたしを失うことなのです

 だからわたしは詰め込まず

 感じることで知るのです

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「無」

 無からは何も生まれない

 誰かが言った

 僕らがいることが

 在ることが

 嘘であることの証明にならないかな

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「螺旋の記憶」

 わたしを見て
 私の話を聞いて

 覚えなくていいの
 覚える必要はないの

 わたしの姿は
 わたしの想いは

 あなたのどこかに
 確実に刻まれるから

 たとえ死んでも
 わたしは生きるの

 そしてわたしも
 あなたを生かすの

 散らばったわたし
 散らばったあなたが

 いつの日かここに
 戻れることを信じて

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all written by つか

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