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明けない気がした夜
しんじまえとあなたがいった
くびをしめてとわたしがいった
照明はゆっくりベットに沈んで
布団に闇を、深くきざんだ
私は最後に青色の手をみた
あなたの青い、青い手をみた
キスしてほしかったなんていえない
きっとたくさん未練が残る
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近未来兵器
精密機械のはず
修理は誰かに頼んだはず
ガス欠だけで動かないなんて
いったいどういう了見なんだろ
高い代償払って買ったってゆーのに。
ガスなくたって走ってみろ
ネジ一本はずれたって
遠く一万キロ、果てまで
おまえは精密機械だろ
AI知能で制御してみろ
どこまでも遠く、果てまで
何よりも完璧なフォルムで
かなわないくらい理想的な速さで
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何かが流れる速さよりも
ほおりなげたのは
別に小石なんかじゃなくてよかった。
腕だってよかった。
腕がなくなって、ほおれなくて困るのなら
もぎとった腕を、力いっぱい足で蹴るのだって
全然かまわなかった。
同じ重みだった。
同じ痛さだった。
小石は遠く弧を描いて消えていった。
どこか遠くで、私の足じゃ行きつけない場所まで
小石の重さは私の背中を見えない力で圧迫して
今度は何を投げようと、私はぼんやり腕をさすった。
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苔がはえるまで
二ヶ月も前にわかれた。
なんでそれでも腐れた縁ひきずって
あなたに会いたいなんて思うんだろ
あたしはあたしだよ
誰よりもあなたのこと好きなあたしだよ
くり返し、くり返し
あなたに電話で告げた、誰にも聞こえないように
誰にもさらわれないように。
誰が今好きなの、なんで今頃私を惑わすの、
どうして電話かけてきたの
やっぱり会いたいなんてあたし思うから
あなたが私じゃない彼女と逃げてった事実すら
私はそっちこそ、そっちこそ嘘じゃないかなんて
大馬鹿だ、大馬鹿だ、大馬鹿。
あたしはあたしだよ
あなたのこと好きなあたしだよ。
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こわれた。
水のおとがする。
遠くでみずのおとがする。
わたしが眠っている間に
あなたはほかの誰かとどれだけ
えっちなことをするんだろう。
どれだけすり減らしていくんだろ。
水のおとがするよ。
ほら、水のおとがするよ。
ぴたん、ぴたん、ぴたんて、
しずくの落ちるおとがするよ。
愛した記憶のわたしを
あなたはやさしく起こそうとする。
そっとでなんか、起こさないで。
わたしを大切になんか扱わないで。
精一杯おねがいする。
愛情があったなら、
その気持ちで
わたしを壊して。
もう一生、
やさしく降る雨のおとなんて聞きたくない。
誰かのなみだの温度をはっきりおもいだすから。
水のおとがする。
誰かのないてる声がする。
もう誰もなかないでよ。
わたしは危害をくわえないから。
誰ともえっちをしないから。
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ひかりモノ
おかねなかったら何もできないなんて
スゴイ汚い言い方だと思ってた。
おかねにしばられるのは
スゴイかっこわるいと思ってた。
なんだけど、今の自分は、おかねなくて
がりがりに痩せてて
余裕ないから彼氏とケンカばかりして
んで結局別れることになって、
自分、何にもなくなったと思った。
お金なくても幸せだなんて嘘だ。
お金なくても根性で生きれるなんて大嘘だ。
私は全部失った、彼氏も家も全部なくした。
幸せなんか、遠くで光ってる、
偽物のやわらかなひかり。
手を伸ばしても絶対に手の届かない
美しくはかない青いひかり。
私は風に吹かれながら、
そのひかりを求めていつか、のたれ死ぬんだろう。
美しいものだけ抱いて、死ぬことを選ぶんだろう。
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空間
笑いたいと思って笑った顔をかがみでのぞいてみたら
顔が不自然なかたちで歪んでいた。(それはなぜだ。)
みたいと思ってテレビをつけた
いつのまにか眠ってしまっていた。
私は柱時計で時間を確認して一時間と眠ってなかったことを
かなりあせりながらきちんと確かめ
「時間がもったいない」大きな独り言をいいながら
台所に立ってお湯をわかした。
カップラーメンはのびない。
私のこころはどこまでもゆるんでゆく。
カップラーメンの味がしない。
私のくちはいやなにおいがする。
いつからだ。狂い始めたのは。
いつからだ。歯をみがいていないのは。
私が私ゆえに肥大してゆき、
私が私ゆえに小さくまとまってゆく。
それはどういうことなのかいったい何を意味しているのか
私が私の言葉で話しても理解されないように
私はおまえたちの言語がわからない。
はじきとばされてゆく。
誰も見えない。
声も聞こえない。
自分に触れる自分の指すら誰のものだかわからなくなる。
増殖する脳のガン細胞。私は私を駆逐したい。
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独白
からだの機能の低下
脳みその性能、大幅にダウン
最近はやりの流行性感冒、
つまりは風邪のせいであるらしい
(本当にそれだけか)
(何かまだ見失ってないか)
熱にうかされて
朝、目がさめた
世界が回ると名言吐いて
そのまま俺は、俺を失った
(そうだ、俺は失った)
(あの日俺自身を失った)
(そうだ、失った)
(あの日愛する君と一緒に)
(俺自身すら見失った)
飯は食っている
寝れるだけ寝ている
体に悪いことなんか
なにひとつなにひとつしていない
俺の脳みそはどうしちまったんだ
何を失ったとわめいているんだ
俺はここにいる、俺はここにいる
風邪はひいていても
何も問題がない、ノープロブレム
(同棲していた彼女は)
(新しい男を作ってでていった)
ノープロブレム、ノープロブレム
問題ない問題ない
俺ははじめからひとり
俺はひとりの男、ひとりの人間
問題ない問題ない
ただ風邪をひいているだけ、
少し気のよわっているだけ
なにも変わらない
なにもへらない
なにも足されない
なにもひかれない
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all written by ゆうげつ